さて、去る四月二日(金)。ずいぶん前からの計画、弘川寺への花見冒険行を実行に移すべく有休の申請を出したわけですが、朝が五時起きとあってその時点でヘタレそうになりました。駄目すぎ。 晴れの国(笑)から青春十八切符で一路、大阪へ。 山陽本線から大阪環状線を乗り継ぎ、天王寺から近鉄に乗り換えます。もちろん乗るのは初めてです。 午前十時半ごろ、近鉄長野線・富田林駅に到着。 感じのいい郊外の駅。出来れば南海にも乗ってみたかったけど今回は縁がありませんでした。 さて観光名所案内板で早速弘川寺を探してみる… が、載ってない! ……まぁ当然ですが。弘川寺の住所は大阪府南河内郡河南町弘川、つまり隣町なのです。 さて、ここから当初の予定通り、てくてくと歩き始めます。直接行けるバスが出てるのも事前に知ってましたが、それでは面白くありませんので。歩くのは好きなので一日は無理でも数時間なら楽勝です。コンビニで食料とレンズ付きフィルムを購入しました。 町中にもこんな風にあちこち桜が咲いていました。 今回最大の心配は、弘川寺の桜がどのくらい咲いているか、情報を仕入れることが出来なかったことです。いざ行ってみて五分咲きとかだったら寂しいじゃないですか。前日まで結構寒かったですし。だからこういう光景は期待を膨らませてくれました。 市中に流れる川に架かる橋。結構気持ちいい風が吹き抜けています。 一人なればこそ、めちゃくちゃなルートを自由に歩けるわけで、色んな光景を楽しみながら地図無き旅を繰り広げていきました。この時点では弘川寺は山の方、という認識しかありませんでした。もちろん地図は持参していません。ちなみに僕は旅行の際、時刻表を携帯することすら稀です。全ては風任せ、その場のノリ任せ。決して素人にはお勧めできません。 川は前日の雨で濁っています。よく見るとカモの親子が浮かんでいるのが解りますね。道草をしたせいで川絡みではこれ以外にも結構楽しい光景を見ることが出来ました。舗装されてない土手で靴を汚してしまったのは駄目駄目でしたけれど。 あ、あらかじめお断りしておきますが、僕は写真はド素人ですし、カメラは全部写ルンです系ですのでこういう分かりにくい写真が連続します(一部加工しています)。ご容赦をば。 一つ陵を越えて、幹線道路沿いに歩みを進めていくと、町は遠ざかり、こういう開けた光景が続くようになります。右も左も山なので、どっちに行っていいかちょっと躊躇しつつありました(歩きなので間違った道を行くと取り返すのが大変なのです)。 と、 無事、河南町へ辿り着いたようです。まずは一安心。 もちろん町と行ってもだだっぴろいことに変わりないので、気を抜いてはいられません。この看板を見た辺りですでに一時間ぐらいが経過していました。 河南町の集落らしき道に入った辺りで、目的地を確定しておくべく、近くにあった酒屋さんに入り、買い物ついでに弘川寺への道を尋ねました。地図まで書いてくれた親切なおじさんありがとう。 これだけでは意味がサッパリ不明ですが、地図なんてそんな物でいいのです。宝の地図はぼろぼろなところに価値があるのですから。多分。 ちなみにこの裏は仕出しおせちの広告でした。うーんリサイクル。 さてその酒屋さんから真っ直ぐ歩いてほどなく、 キター 酒屋さんの話ではここから歩いて一時間ぐらい掛かるとのこと。行程ではまだ半分ぐらいの計算ですね。がんばらねば。 遠くに見える(小?)学校。この写真では分かりにくいですが、桜に囲まれているようで華やかな雰囲気でした。そういや自分の高校の卒業式にも綺麗な桜が舞い散っていたなぁ、なんてことを思い出したり。桜が印象に残りやすい花だということに、疑念を覚える人は少なくとも日本人には射ないのではないでしょうか。 上がったり下ったり曲がりくねったりする道をずーっとずーっとずーっと歩いて、老人ホームのある三叉路を右に曲がると、あとは弘川まで一本道です。典型的な田舎の風景が続き、段々畑と整備され流れ落ちる用水路をさかのぼっていきます。カラスが多いのが印象的でした。 もちろん、こんな風な桜も咲いています。 山にも桜が点在していたりして、期待は高まります。 残りあと一キロ! 山道ですがペースはいやがおうにも上がります。 そして遂に!! この曲がり角を曲がると…… 登り行く坂の向こうから、山風に乗って桜が舞い降りてくる…… あれほどうるさかったカラスの鳴き声は遠ざかり、 ひらりひらりと白桃色の欠片が舞ってくるのです。 もちろん頭の中には「アルティメットトゥルース」が流れていました(笑) 弘川寺に到着です。所要時間はのらりくらり歩いて二時間超。 しかし決して無駄な時間ではありませんでした。 |