☆ 紅月談・振り返って
こんばんわ、紅月談の作者です。今日の月は紅でしょうか?(外見てない)
とりあえず書き終わってから二日ですが、いろんな場所の東方にまつわる絵や文章を覗いたり保管したりごろごろしたり寝たりしてました(笑)。たまってるメールも早く返さないと…本当はゆっくりしてられないんですが、まぁ今日ぐらいはと思ってます。
書き終えてみて痛感するのは、やっぱりというか、まだまだ突き詰めて考えられていなかったなぁという反省ですね。シーン先行で構成を始めたから、それに対するつじつま合わせに終始してしまった部分もあるし。命のキャラにしても、なんとなく惰性でああいう風になったという感じがします。書いてる内に前にあったことを忘れてたりとか…結構矛盾点も残してきてるような気がします。
東方のキャラをお借りして文章を書いてみたわけですが、やっぱりキャラが立ってるだけあって書きやすい部分はありました(再現度は決して高くないでしょうが…滔々と喋るレミリアとかは「違うよなぁ」と思いながらも構成上仕方なく書いてました)。ゲーム内の文章が軽快な掛け合いでテンポを取っているというのもあるのでしょうが。
反対に、戦闘シーンは苦労しました。語彙が少ないのでみっともない場面も多々。
忠実に再現しようと努力せず、あえてばっさりと切るのも手だったかもしれません。
もとより、あんな見事な弾幕を文章で100%再現することなど不可能でしょうし。
できれば、東方をやってない人に読んで頂いて、あの戦闘シーンがどういう風に読みとれるか聞いてみたいところではあります。
それから、構成ミスが少し痛かったですね。
本当は全七章構成で、最後の第七章が「セプテット(七重奏)」となる予定だったのですが…第五章・六章のボリュームが最初の構成からかなり増えてしまったことで出来なくなってしまいました。全体的に後半の方が量も内容も重たくなってしまってますね。さらに第一章が実質的なプロローグになっていて、霊夢が出てくるのが最後の方なので、東方小説というにはスタートの押しが弱かったなぁと。多分、第一章で読むのを止めてしまわれた方も多いんじゃないかと思います。仕方ないと言えば仕方ないですが、力不足でした。
あと、ゲーム本編もそうですが、曲を掛けながら書いていたので書きやすかったです。
霊夢とレミリアの最終決戦はもちろん「セプテット」ですし。
ラストシーンは「紅楼」の鳴るエンディングから逆算してあの光景になっています。
ただ、物語全体の雰囲気は「紅魔郷」よりも「蓬莱人形」に近くなってるかなと思ってます。
☆ オリジナルの設定について
霊夢と咲夜が姉妹というトンデモ設定は他の誰も考えないだろうという自信がありました(笑) ただ、どこまでそれに説得力を持たせられたかにはちょっと不安が残るところです。もはやどうしてこういう設定になってしまったのかは覚えてないのですが、書き始めて一ヶ月が経ち、妖々夢の4面で魔理沙が超えられない結界を霊夢と咲夜があっさりとクリアする所を目撃して、これは使えると思った次第で。咲夜だけが博麗大結界を越えられるのは、咲夜も紅白の蝶を視た=咲夜も博麗の資質を持っていた、という考え方から形作られた物です。
咲夜はこの物語でもっとも熾烈な運命を辿ることになってしまいましたが、ここまで踏み込んで作り替えても良いのかと悩んだ時点もありました。逆に言えば、咲夜の設定が「紅月談」という物語を作ったわけで、真の主人公は彼女なのかもしれません。あと、キャラ造型にみょふ〜会さんの描かれた一連の咲夜さん絵がかなり影響していることを付け加えておきます。
懐中時計は印象的なアイテムでしたがあまり踏み込んで使えませんでしたね。また、時間を止めるという攻撃は上手く表現できません(汗)良い方法ないですか…。先人に学ばないとな。
あとはレミリアと咲夜ですが、本編の設定では二人の関係はプロフェッショナルな主従関係として表現されていますが、こっちでは相思相愛(?)を突き詰めて変形した母子関係を引用するという手段になりました。咲夜の子とレミリアの魂は食い合って同一の物となったんじゃないかな、と想像してます。このネタはもう引きずりたくないので、次回以降に二人を書く時は瀟洒なメイド(過去の経歴は不詳)とその主という感じになると思います。レミリアに関しては、もうちょっと少女らしく表現したかったです。霊夢に惹かれているという表現も少なかったし。
命が持たされた「博麗の小太刀」ですが、元ネタは東方靈異伝のBGM「破邪の小太刀」です。格好いいですので、旧作を知らない方は上海アリス幻楽団のページから是非DLして聞いてみて下さいませ。
パチュリーは、レミリアの運命がたまたま引き寄せただけで、レミリアよりもずっと前から幻想郷にいる魔女だと捉えました。だから別にレミリアの僕でも何でもありません。幻想郷の成り立ちについては、彼女がレミリアに教えたんでしょうけどね。
フランドールに関しては、レミリアと咲夜の関係が成立した時点で組み込めなくなりました。残念ですが「紅月談」の紅魔館にはフランはいません。思うんですがこの二人、風貌も似てないし、もしかしたら血縁じゃないンじゃないかと個人的に考えてます。その辺りのことも文章にしてみたいなぁとは思いますね。
博麗神社の社が楠に挟まれているのは個人的な趣味です(笑)大きな木が好きなので。予想ですが、本物の博麗神社はもっとひっそり、もっと小さく立っているはずです。
霧雨邸は、当初は森の中に立つ巨大なお屋敷にしようかと思ってましたが、どうやらこじんまりとした小屋が本物らしいのでそちらを採用。「蒼いしずくのお茶」は、遊佐未森「M氏の幸福」が元ネタです。大好きな曲なので機会があったら聴いてみてください。
☆ 今後のことについて
TeamLinkは本来ゲーム製作サークルですので([veil]もよろしくお願いします(笑))、そろそろそちらの方に戻るつもりでいるのですが、折角お客さんも沢山来てくださっているし、東方もまだまだこれから盛り上がりそうな感じですので、引き続き東方コンテンツは継続していこうと思います。
連載は正直すこし疲れましたが、生活にメリハリが出てかなり充実した時間を過ごせたので、またいずれ新作をお目に掛けるようにしようと思ってます。それもできれば早い内に。冬コミ終了後ぐらいから出来るといいなぁと考えてます。
あらかじめお断りしますが妖々夢じゃないです(笑) ちょっと、あれを小説にするのは今の自分では完全に力不足だと思うので…どこをどうつぎはぎしてもあれとは違う面白さが出来るか、想像もつかないです。ZUN氏恐るべしです。隙がないというか…。
なので、次はほぼオリジナルで、しかも今までのキャラクターが総登場してそれぞれ見せ場があるような、「ジャンプ」ノリの話をつくってみたいなぁと考えています。話の明るさを今回よりもよりオリジナルの世界観に近づけつつ。なんかZUN氏も設定を発表するという話もされてますし、その辺も織り込んで出来ればなぁと思案中です。
それとは別に、短編のSSとかのネタも何本かたまってるのでそれを形にしたいなぁと考えてます。東方創想話のほうとかで発表するかもしれません。その際はまたこちらで告知することになると思います。
それら今後のコンテンツに合わせて、サイトも「紅月談」専用から、東方ファンサイトに作り替えたいなぁと。その際は引き続きよろしくお願いします。
それからもう一つ、「紅月談」についてですが…。
できれば校正し直して、冬コミに本の形で持っていこうと考えてます。絵描きさんも決まってないし、どうなるか予断を許さない状況ですが…やっぱりSSならいざ知らず、長編小説は本で読みたいですよね(僕自身も非常に読みづらいので…)。また、書き直したいところもすでにちらほらあるので、その辺も修正を入れつつなんとか形にしていこうと思います。
これに関しては後日当ページ、またTeamLinkのサイトで正式に告知すると思いますので、そちらの方も参照してくださいませ。うまくいくといいなぁ。
さて、現在思うところをつらつらと書き並べてみました。
今回の「紅月談」で、長編小説は四作目、しかも一番長い作品になりました。
今回はキャラをお借りしたということで、他の小説とはまた違うアプローチでしたが、本当に良い経験になりました。それに、書いてる途中で不完全な文章をUPするのにも拘わらず、いろいろと感想をいただけたことはすごく励みになりました。WEB上で小説を発表してもなかなか読まれない(読みにくい)というのが現状ですが、これだけのお客様に来て頂いたのは本当に嬉しいことです。ありがとうございました!
それから今一度、本当に面白いゲームを、世界を見せていただいたZUN氏には最大限の感謝を。なにやらもう次の新作が始動しているみたいですが、新たな夢が素晴らしい物になることを確信してやみません。遠くより期待させて頂いております。
それでは、駄文を連ねましたがこのあたりで終了します。
読んで頂いてありがとうございました。また、いずれ。
なお、製作ノートは今後しばらくもちらほらと更新します。よろしければまたお付き合い下さいませ。
03/10/26 風城一希@TeamLink
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